2022年、ライブに足を運んでいただいた方、Youtubeなどで音源を聴いていただいた方、SNSなどで知っていただいた方、そして共演してくださった皆さん、ありがとうございました。素敵な出会いが沢山あって、そのたびに心が潤い豊かになっていった一年でした。
大切な時間はたくさんあって、どれもが自分の身になっていると感じますが、その中でも、遠藤ふみさんと出会い共演できたことが、この一年は一番大きな出来事だったなぁと思います。今となっては、もうずっと昔から知っている人のようで、初めて一緒に音を出したのが今年に入ってからとは信じられないくらい。
今年のはじめ、“ぶくぶくsextet”のみなさん(遠藤ふみさん、Jasmineさん、伊集院正之介さん、阿部真武さん、大熊紺さん)と一緒にスタジオに入り、私の曲や遠藤ふみさんの曲を歌わせていただきました。「こんな世界があるのか」「こんなふうに私は歌えるんだ、歌いたかったんだ」と思った、そのときの静かな衝撃は忘れられません。その後、5月には東京で、最近”Uquwa”と名前のついたカルテット(遠藤ふみさん、阿部真武さん、白石美徳さん、私)のライブ、大阪でふみさんとデュオライブ、9月には大阪でUquwaのライブ…と共演を重ねてきました。どれも大切な、特別な時間になりました。そしてたくさんの方に聴きに来ていただき、その時間を共有できたことも本当に嬉しいです。
今年、もう一つ忘れてはならないのは、伊藤シュンペイさんとのデュオ”ephemeron”です。二人のオリジナルばかりをやるバンド。「ヘンな曲!いいね」「むずかしいねぇ〜でもいい曲!」とか言いながらお互いの曲をやっています。ライブも重ね、夏頃からは動画制作にも力を入れてきました。より多くの方に聴いていただきたいバンド。これからさらに、曲をモリモリ作って発信していきます。
もう一つ。2月に初演だった甲斐正樹さん、清野拓巳さん、永山洋輔さんとのライブも、本当に学ぶことの多い、私にとって転機となるようなライブでした。自分のオリジナルでない曲の言葉をどう自分の言葉として歌うか、言葉のない音をどう歌うか、私の声という楽器のバンドの中での立ち位置とは、楽器の人との位置関係とは…というようなことを考え、それまで暗中模索だったのが、自分の居場所が少し見えたときでした。
2023年は、やっていることをより皆さんの目に見える形にしていきたいと思っています。もっと多くの方に聴いていただけるように。そして、ephemeronやUquwaの皆さんとの演奏はもちろんですが、来年はソロでの活動にも力を入れたいと思っています。2023年もどうぞよろしくお願いします。
2022年12月31日 沼尾翔子