A new day….

(2025年1月ごろ)

 曲をつくることは日記をつけることのよう。一曲一曲、曲を書いたときのこと、歌詞を書いたときのこと、曲を作り変えたときのこと結構鮮明に覚えています。その時にいた場所、見えていたもの。

 

 すっかり忘れていたA new dayという曲のことを今日は思い出していました。SoundCloudにひっそりとアップされている曲です。ジャケットに使った街灯の写真はアイルランドで撮ったもの。引きこもりがちだった私が珍しくクラスメイトたちと遅くまで遊び、その帰りに撮った一枚です。せっかく外国にいるんだからたくさん写真撮っておくといいよという助言も虚しく、写真を撮るということがあまり気乗りしなかったので、思い出らしい思い出の写真はほとんど残っていないのですが、この日は浮かれていました。自転車の通学で毎日のように通っていた道で、坂を登り切って信号を渡ったところ、右の道が家への帰り道です。でもこんな空の色のときに通ったのはきっとこのときだけ。

 A new dayという曲は、日本に帰ってきてからつくりました。帰ってきて、これから私はどうしましょうと途方に暮れ、どうしようもない数日間を過ごしたあとにつくった曲。急いで録音して、それが終わったときには、これから私はきっと大丈夫になるんだ、いい方向に進んでいけるんだと思いました。音楽は自分の意識より一足早く、これからのことを予言するようにやってきて、それから連れていってくれます。

 

 2024年はあっという間でした。何もしていなかったんじゃないかと思ってしまうくらいですが、よくよく振り返ってみるとUquwaもephemeronも映像を作ってもらったし録音もしたし、この二つのバンド以外にもソロや、たくさんの素晴らしい方々との共演があって、活動はとっても充実していました。流れに身を任せて進んできた感覚が結構あってそれはそれでいいけれど、今年はもう少し、意識的に進めることも増やしたいと思いつつ今のところ浮遊しています。