回人回しゅし の話

 演劇に出演しました。歌う妖精の役で、台詞もあってちゃんと登場人物の一員、ということには稽古を重ねる中で気がつきました。2ヶ月前から稽古があって、私が参加できたのは11月になってからだったけど、こんなふうに一つの作品をみんなで時間をかけて作っていくのは、日頃のものづくりとは違って新鮮で、稽古に行くこと、稽古での取り組み、稽古を繰り返すということを考える時、常にどこか重力がいつもと違うように働いているような不思議な感覚でした。今は3日間の公演が終わり、みんなで打ち上げした帰り道です。稽古が続いて、公演も3日間もあったのが終わってしまうと、終わっちゃっタって思います。演劇に出演するということ以上に、その周りで起こる習慣、心意気、時間の使い方、流れ方の違いをいちいち面白がってしまいます。
 木嶋さんの作品は、でも、自分の日頃やっていること、気にしていることと遠くはない気がして、台本を渡されて自然と入っていきました。いつもの、演奏することとあんまり変わらない。言葉から音を紡ぐこと、言葉が音になって、また違う言葉になったりすることも。でも木嶋さんの求めていたことがどれくらい形にできていたのか、答え合わせはし損ねてしまいました。どうだったのでしょう。
 作品は、多面体。何かがはっきりわかるような内容ではなくて、見る人によって目につくところ、頭に届く言葉、考えること、私たちが生活している世界の中のどの部分と結びつくかは全然違いそうですし、見たその時はあまり気に留めなかったことが、記憶に残るようなこと、ずっと時間が経ってから何かの拍子に飛び出してくることもありそうなものでした。私も稽古を重ねる中で聞こえてきた言葉もありましたし、実は、3日目最後の公演で初めて全体像が見えたと思いました。それは理解したわけじゃなくて、最初から最後までを俯瞰して眺められたという感覚で。
 来てくださった、演劇に関わる方々と話すのもとっても面白くて、いつもと違う考察、私は気が配りきれていなかった点に恐縮しちゃったり。日々の生活の中でも全然違うところに目を向けているんだろうなーって。

 さて最寄駅につきました。てっぺんお団子ヘアで毎晩帰宅したのですが、家の周辺はちょっとだけ気温が低いようで、刈り上げが寒いです。明日は普通の髪型。

 

 。。。でもずっとこの髪型でもいいのか。