虫の声 変わりゆく

地を泳ぐ陽光の尾鰭

遊び疲れて転がる二つの夢

 

最後の虫が落ちる

漂う時にひそやかな合図を

あとには獰猛な静けさ

 

空洞が内側から広がって

私を破いていった

冷淡な初風に

翅はいつまでも白く⽣々しい

 

散らばる思い出の片鱗

拾い上げて舌で転がす

手繰る淡い夢の先